Archive for November 2004

28 November

第47話「再会」

今回はタイトル「再会」に救われたと言いましょうか、東へ敗走する新選組にとって多摩での再会は心温まるエピソードでした。
特に5年ぶりに再会した沖田とおみつを見て心底よかったと思いました。
それにしても多摩の人々は観ている私たちにも元気を与えてくれますね。個人的に小日向文世さん演じる佐藤彦五郎が大好きなのですが、相変わらずお酒に呑まれているところがいい味出してました(笑)。また総司の労咳のことを知らないというのが泣けてきますよね。彦五郎さんみたいな人ほど、本当のことを知ったときのショックって大きいと思うんですよ。
彦五郎さん、本当に大好きです。

そして、なんといっても近藤勇と勝海舟の場面。特に近藤の姿勢には心打たれるものがありました。
あまりに静かな承諾…この時点で死を覚悟したのでしょうか。全てを悟りながらも、勝の条件を受け入れた姿に近藤の深い信念を感じずにはいられませんでした。
体よく葬り去ろうとした勝の思惑も、近藤の引き際の美学によって、がらりと変わりました。
野田さんのあまりのブラックぶりにまんまと騙されるところでしたが、最後の「悲しい目」の下りで救われた気がします。
以前から、野田さんの勝に注目していましたが、なんといっても全てを物語る目が印象的です。
時代を見据えたクールな部分と人間臭さを感じるホットな部分が入り交じった素敵な目をしていらっしゃいますよね。
本当に最高の勝海舟でした。

土方さんの洋装は、本当に素敵でしたね(本当にすみません)!
多くの方が語って下さっているので今更語る言葉も見つかりませんが、少しだけ語らせてください(嬉)。
私は「三つ揃い」に弱く、背広に揃いのベストを合わせている人を見ると無条件にお洒落!と思ってしまうところがあります(注:毛糸のベストとかではなく)。
紅い裏地も情熱的でいいですよね!
個人的に、ベストとシャツで腕まくりして稽古する姿に惚れ惚れしてしまいました。以上、失礼しました(笑)。

お琴との別れは(土方らしく)なんとも切ない終わりとなってしまいましたね。でも、彼女の強い意思のお陰で双方踏ん切りがついたのではないでしょうか。
個人的に、5年も待たせた土方にも、京都で名を挙げてからお琴を迎えたいという男の一念があったと思いたいです。
でもやはり5年という年月は長かったのでしょうね。土方への想いを絶った以上、もう時を戻すことはできないわけですから、辛くても賢明な対処だったと思います。
土方も、5年という激動の年月の中に、少なからず自分の中にあったであろうお琴の存在を確かめたかったのかもしれません。再会して、せめて自分の意思を伝えたかったのでは、と考えてしまいました。


そして、永倉と近藤の別れ。
生き別れという事で、死とは違ったやり切れなさが残る場面でしたが、お互いの言わんとする事が理解できたので(不思議と)受け入れることができました。
永倉には指摘するだけの問題点が見えていたし、近藤には公には言えない甲陽鎮撫隊の真相、そして会津藩の足を引っ張ることだけはしたくないという信念があった…。
ただ、こういった問題を解決するには非常に困難な状態だったのかもしれません。
起こるべくして起こった別離と解釈しました。


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21 November

第46話「東へ」

今回も多くの別れがありましたが、やはり一番印象に残ったのは、山崎の死です。
誰にも看取られず、ひっそりと亡くなる姿を見ていると、とめどなく涙が溢れてきてしまいました。そして無言のまま、漆黒の海へ…。
彼らしい、静かな死だったのではないでしょうか。

山崎は大阪に向かう途中に[顔]という監察には致命的な傷を負ってしまいますが、ここで彼らしくもない弱音を吐いてしまいます。今までの彼なら絶対気丈に振舞うはず…それが顔でなければ…この時点で彼は死んだも同然だったのかもしれません。
彼がどんなに監察という仕事に誇りを感じていたか、またそれをどんなに生きがいにしていたか…。
本当に悲しくて悔しくて、やりきれませんでした。

最期船の中、力無く「自分で取って下さい」と言い放つ山崎。この時既に力尽きていたのかもしれませんが、私は「新選組は終わる」と言った尾形に対するささやかな抵抗だったのではないかと思いました。
文句を言わず、与えられた仕事を忠実に、ただ黙々とやり遂げてきた彼にも、他の隊士たちとは較べものにならないくらいの燃え滾る炎のような志があったのではないでしょうか。そんなことを感じずにはいられない最期の言葉でした。

他にもたくさん素晴らしい場面があったのですが、今日は山崎さんのことで、もういっぱいいっぱいです。
山崎の描写全てが、私の想い描いていた山崎そのものでした。そして予想もしなかった最高の最期でした。
こんなにも細部に渡って山崎を描いて下さった三谷さんに感謝しています。

山崎さんを演じて下さった桂吉弥さんも、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

今思い出したのですが、山崎さんは結局満足な治療も受けられず逝ってしまいました…。包帯も巻いてもらえないむき出しの傷が痛々しかったです。
負傷者で溢れ返る船内でろくな治療も受けられない状態だったのでしょう。また、隊士たちも無意識に山崎なら大丈夫と思い込んでいたのかもしれません…が…冷静に考えてみても虚し過ぎます。
今日は彼のことを考えると眠れません。
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14 November

第45話「源さん、死す」

大切な人がまた逝ってしまいました。容赦なく飛んでくる弾丸に誰もが躊躇している中、危険を顧みず飛び出していく姿に、源さんの強さを見たように思いました。
「刀の時代は終わった」という土方に「悲しいこと言わないで」と笑っていた源さんでしたが、はじめの弾丸斬りはそんな源さんの想いが通じたからでしょうか。
結局、次から次へと弾丸を浴び倒れてしまいますが、想いが天に通じたかのような一瞬でした。
今から考えると、あのCGもそんな儚い希望を表現したものだったのかもしれません。
悲しい出来事ではありましたが、彼らしい華々しい最期だったと思います。

最後に近藤に会わせてくれたのは、三谷さんのせめてもの心遣いと受け取っています。
考えてみると、これから近藤、沖田、土方は、それぞれ孤独の最期を遂げるわけですが、死に目に会えないというのは本当に辛いことだと思います。
必死の思いで近藤のもとを訪れた源さんの気持ちが、名残を惜しむかのように消えていった姿からひしひしと伝わってきました。
心に残る、本当に素晴らしいシーンだったと思います。

鳥羽伏見の戦場の模様。
今回も賛否両論ありましたが、私たち戦後生まれの世代にとって戦というものを理解することは非常に難しいことだと思います。
基本的に戦はしてはならないという前提で書きこませて戴きます。

薩長の最新兵器に刀一本で立ち向かわなければならなかった新選組や会津藩は、手も足も出ない、正常な思考能力も働かない状態だったのではないでしょうか。見方によれば、見せ場も作れないくらい切羽詰った状態をよく描いていたと思います。
退却を迫られながら、無理を承知で斬り込みをかける永倉たちの行動も普通では考えられない心理ですが、敵方の威力をまざまざと見せつけられながら笑い飛ばす(しかない?)状況に追い込まれていた姿がよく描かれていたと思います。

<余談ですが>
弾が自然と避けてゆく?土方、私の中でかなりツボでした(汗…すみません)。また、「よろこんで!」山崎!この二人、かなりタフで強靭な人物とみえます(笑)。

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