Complete text -- "第46話「東へ」"

21 November

第46話「東へ」

今回も多くの別れがありましたが、やはり一番印象に残ったのは、山崎の死です。
誰にも看取られず、ひっそりと亡くなる姿を見ていると、とめどなく涙が溢れてきてしまいました。そして無言のまま、漆黒の海へ…。
彼らしい、静かな死だったのではないでしょうか。

山崎は大阪に向かう途中に[顔]という監察には致命的な傷を負ってしまいますが、ここで彼らしくもない弱音を吐いてしまいます。今までの彼なら絶対気丈に振舞うはず…それが顔でなければ…この時点で彼は死んだも同然だったのかもしれません。
彼がどんなに監察という仕事に誇りを感じていたか、またそれをどんなに生きがいにしていたか…。
本当に悲しくて悔しくて、やりきれませんでした。

最期船の中、力無く「自分で取って下さい」と言い放つ山崎。この時既に力尽きていたのかもしれませんが、私は「新選組は終わる」と言った尾形に対するささやかな抵抗だったのではないかと思いました。
文句を言わず、与えられた仕事を忠実に、ただ黙々とやり遂げてきた彼にも、他の隊士たちとは較べものにならないくらいの燃え滾る炎のような志があったのではないでしょうか。そんなことを感じずにはいられない最期の言葉でした。

他にもたくさん素晴らしい場面があったのですが、今日は山崎さんのことで、もういっぱいいっぱいです。
山崎の描写全てが、私の想い描いていた山崎そのものでした。そして予想もしなかった最高の最期でした。
こんなにも細部に渡って山崎を描いて下さった三谷さんに感謝しています。

山崎さんを演じて下さった桂吉弥さんも、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

今思い出したのですが、山崎さんは結局満足な治療も受けられず逝ってしまいました…。包帯も巻いてもらえないむき出しの傷が痛々しかったです。
負傷者で溢れ返る船内でろくな治療も受けられない状態だったのでしょう。また、隊士たちも無意識に山崎なら大丈夫と思い込んでいたのかもしれません…が…冷静に考えてみても虚し過ぎます。
今日は彼のことを考えると眠れません。
20:00:00 | swing | | TrackBacks
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