Archive for September 2004

26 September

第38話「ある隊士の切腹」

今回は、新選組の崩壊以前に物事の善悪すらも揺らぐような衝撃的な内容でした。
恐らく、前回以上に土方への非難がされるであろうと、覚悟を決めております。

河合耆三郎の切腹は新選組でも有名なエピソードですが、隊士粛清の背後に潜む新選組の残酷さを改めて見せつけられた思いがします。

法度を自在に操ることで組織を締めようとした土方自身が、実は法に振り回されている…。そして、法が隊士どうしの絆すらも崩壊させてしまっている現状。彼自身、能力の限界を感じたのかもしれません。近藤のいない部屋で、誠の旗を見つめる土方の背中が無性に小さく見えてしまいました。

以前、余りに強靱でタフな土方に「伊東に屈する土方を見てみたい」と意地の悪いことを言っていたのですが、伊東と張り合う前に自爆してしまった土方さんを観て、かなりの衝撃を受けてしまいました…。河合を切腹に追い込んだのは紛れもなく彼のせいでしょう。自業自得と冷静に考えてみても、やはり辛い、というのが正直な気持ちです。
今回の土方さんを観て、はじめて山本耕史さん演じる土方に感情移入できたように思います。

広島で近藤が武田について語る場面がありますが、揺るぎない信頼こそが唯一の救いなのでしょうか。
近藤の存在の大きさというものに改めて気付かされました。



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19 September

第37話「薩長同盟締結!」

今回の松原の死は、本当に印象に残りました。そして、観る側によってさまざまな想像を駆り立てる回だったと思います。

土方が松原に忠告する場面。冷酷とも取れる強引な行動だったかもしれませんが、この時点で土方は複雑な男女関係の末路を見抜いていたようにも思います。松原の将来と、新選組の規律を守るために、法度を持ち出して「会うな」と忠告したのではないでしょうか。

しかし、真面目な松原は自分自身で別れを告げる方法を選んでしまいました。そしてお初は、松原を受け入れてしまっている自分と夫への想いの狭間で苦悩しながら、それを断ち切るために復讐の道を選んでしまった(と考えたい…)。これは結果的にそうなってしまったのであって、誰も(土方も)望んではいなかったと思うのです。

最近思うのですが、土方は「法度を盾にとって隊士を死に至らしめている」ように見えますが、彼自身は「法度=土方という脅威で最悪な事態を免れる」のを目的としているように思えます。
しかし、人間はそう計算通りに動きません。
恐らく計算して死に追いやった隊士もいたでしょうが、彼の信頼する幹部に関しては結果的に死に至ってしまったという感じがします。
そして、最悪の事態に発展した時は、彼らの名誉を傷付けず「法度=土方」という機械的な処理で皆を納得させたのではないでしょうか(これはあくまでドラマ上の土方を観て、です)。

また、松原の最期はとても印象的でした。刃が自分に向けられた時、はじめて事の重大さ、お初の気持ちを悟ったのでしょうか…、痛みに耐えながらも斬りかかる斉藤を必死に制止する姿が目に焼きついて離れませんでした。

事態が二転三転するなか、最後に近藤が全てを理解し見守ったという点から、局長と副長との信頼関係、そして副長の采配が浮き彫りにされた回だったと思います。
しかし、日本では薩長同盟という大きな歴史が動こうとしていた…この対比がこれからの明暗を物語っているようで考えさせられました。

そして、最後に…土方と永倉に明るい未来はあるのでしょうか(汗)。それだけが気になります。
私はドラマで土方がどれだけ非難を受けても何とも感じないのですが(すみません)、永倉さんだけは(常識もあって人望も厚い人物なので)結構ズシ−ッときます(汗)。
いつも心の中で「ごもっともでございます…」と謝っております(汗)。
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12 September

第36話「対決見廻組!」

今回は、土方の地図のエピソードがよく描かれていました。
実は土方と観柳斎の関係、結構好きだったりします。意外と息が合う?観柳斎が必死に合わせてると言ったところでしょうか(笑)?

無邪気に宝物探検に誘う沖田さん。いまだに壬生気分が抜けきれていないでのでしょうか。余りに爽やか過ぎる彼の行動は、西本願寺の中でも切なさの残る独特の空気を醸し出していました。
源さんの気後れした様子からも、あまりに早すぎる時代の流れを感じてしまいました。 左之助はどこにいっても変わらないですね。
平助も、伊東と近藤の狭間で揺れる微妙な位置関係が、今回の(宝物探検での)行動によく現れていたと思います。

これに対し、西本願寺への規模拡大に合わせて言う事がでかくなっている土方さんが印象的でした。
常に、時代の流れに喰いつこうとしている土方さん。
こういう土方さん(ホラ吹いてますが)とても好きなんですよね(汗)。

また、佐々木只三郎を演じられている伊原剛志さん、とても良いですよね。講武所で近藤の能力を認めてくれていた人物として、初登場の時から気になる存在でした。
今回は京都の火事を巡り近藤(新選組)と対立していましたが、最後には幕臣というプライドを捨て京都の治安にあたった姿が印象的でした。
幕臣であるがゆえでしょうか、容保公から意見を求められたときも、ある種無気味なまでの固定観念を持つ人物として近藤と対立していましたよね。彼自身は近藤の能力、そして腐敗した幕府の現状を理解していながら、それ以上に幕府に忠節を尽くすという立場から、坂本龍馬と対極にあるような気がしてなりません。双方の狭間で進むべき道を模索しているのが、(大河での)近藤さんという感じでしょうか。この三人は、微妙な三角関係が成り立っているように思います。

ここで気になるのが、やはり近藤さんの今後なんですよね。
ドラマの佐々木さんぐらい幕府一筋だといいのですが、坂本龍馬と出会って他の世界を知ってしまった近藤さん。多摩時代と較べて柔軟な考え方ができるようになった(そのために迷いもあるようですが)彼が、戊辰戦争で何を支えに戦うことになるのでしょうか。
三谷さんがどう解釈して下さるのか、ものすごく楽しみです。
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