Archive for February 2004

29 February

第8話「どうなる日本」

いよいよ、近藤・試衛館のもとに個性溢れる門人が集まります。
和気あいあいと台所で食事をする近藤と食客という名の居候たち(笑)。
近藤さんの人徳なのでしょうか、代が変わり賑やかな門人たちの笑い声を聞きながら、周斎さんも隠居の身が少し寂しそう?でした。
おつねさんも機転を働かせて主人を支えている姿が健気でしたね。近藤さんもたじたじの”おふで攻撃”をさらりとかわしてしまう。恐らく試衛館道場で一番強いのはふでさんでなく、おつねさんなのかも?しれません。
それにしても、納豆の食べ方で盛り上がる門人たち(笑)。左之助さん始め地方ネタが面白く描かれています。

京都から戻ってきた山南さん。話題は薩摩藩同士討ち「寺田屋事件」に及びます。井伊大老暗殺に始まった幕府の威信を揺るがす攘夷運動は、次第に倒幕の色を濃くしていくのでした。当然、京都で時代の空気を肌で感じた山南は、これからの日本を変えるべく清川八郎に会ってもらいたいと勧めます。日本の将来を憂いながらも、清川がヒュースケン殺害を目論んでいたことを知る近藤は、攘夷のやりかたに疑問を抱き山南の勧めを断るのでした。

今回は、近藤はじめ土方、沖田それぞれの1日が描かれています。
近藤は講武所の任に付く大事な日。大切な掛け軸を手放してまでお金を工面してくれた周斎(掛け軸の一本や二本、と言っていましたが恐らく一本しかなかったのでしょう…笑)。
試衛館の運営もままならぬ状態で、ささやかながらも応援しようと気遣う周斎さんの心中を知り感極まる近藤。愚かな風習を「出世のため」と敢えてしてしまう周斎の姿は(普通なら忌み嫌われべきものなのかもしれませんが)、ある意味人間的で泣けてくるほどの親心です。

しかし、講武所の実態を知り驚愕する近藤。もはや「格式よりも実力」を重んじる時代ではないことを冷静に指摘する只三郎の鋭い眼差しが、徳川幕府の行く末を見透かしているようで鳥肌が立ちました。ほんの少しでしたが、後に新選組と競合することになる見廻組・佐々木只三郎も鮮烈な印象を残しました。後の京都時代で新選組とどう絡んでくれるのか楽しみです。

次に沖田総司。北辰一刀流の伊東道場から天然理心流に移りたいという藤堂平助のために一肌脱ぐことになります。小細工を嫌う永倉さんの一本気なところもよかったですね!男です!ことごとく相手にされない原田さんがちょっと可哀想でしたが(笑)、ここで彼らの新選組における役割が分かったような気がします。
当時流派を逸脱することは、今で言えば大学をドロップアウトするようなもので、名門の北辰一刀流ともなれば一流の社交界から退くに等しい行為でした。
しかも名も知らぬ流派への移動。伊東が腑に落ちないのも無理はありません。
それにしても、永倉さんと伊東さんのやりとりはなんとも痛快でしたね!
神道無念流から北辰一刀流への移動を巧みに指摘しながら、じりじりと伊東さんを追い詰める(交渉する)! 文句なしに格好いい!!
名もない貧乏道場・天然理心流が名門・北辰一刀流に実践で勝つというファンとしてはたまらない展開でした。
しかし、沖田さんとトレードされそうになる藤堂さんは少し可哀想でした(汗)。
名前を覚えられないというのは認められていないに等しいですからね(汗)。伊東大蔵(甲子太郎)の、どこまでもクールな眼差しが少し痛く感じました。個人的には(心が読めない?)伊東さんのイメージにぴったりだったのでこのままクールビューティー(…すみません)で突き進んで戴きたいのですが、後に新選組を二分するほどの影響力をもたらした人物ですので、今後どのように描かれるのか気になるところでもあります。対して加納鷲雄は道理の分かる人物としてよく描かれていましたね。弟子でありながら、正しいと思ったことは人前であろうが意見をする真面目な性格…(笑)。近藤が大久保大和として投降した際にそれを見破った人物として、個人的にはあまり良いイメージではなかったのですが(すみません…汗)大河のお陰で見方が変わりました。三谷さん、ありがとうございます(汗)。

そして最後になりましたが、今回のメインイベントーッ(笑)?!
土方さんのお見合い!というか…、伸展が速くないかっ?歳さんっっ(泣笑)?!
近藤さんが大変な事件に関わっているときにあなたと言う人は…。
これは、「さすが歳!」と褒めるべきなのか…土方ファンとしてはちょっと複雑です(笑)。

後半、舞台はいよいよ伊藤軍兵衛の事件と移ります。

近藤は松本藩・伊藤軍兵衛に頼まれ、高輪にあるイギリス公使館に石田散薬を届けますが、ひょんなことからイギリス水兵と交流を持つことになります。
国や言葉は違えど、同じ人間であることを認識する近藤たち。お酒も入りお互いの距離も縮まっていきます。笑い声が響くお堂の向こうでは焦燥しきった軍兵衛の姿。温かい光に包まれたその光景を見た瞬間、軍兵衛に攘夷の狂気が芽生えます。大雨の中、白い傘が浮かぶ絵が印象的でした。
今まで酒を酌み交わし笑っていた人間が目の前で命を落としていく…。一瞬にして修羅場と化した光景に、近藤はねじ曲げられてゆく日本の姿を重ねるのでした。

攘夷という名の狂気が日本を覆う。この窮地を如何に乗り越えるか解決できないまま時代は流れていきます…。次回は時代の波にノリノリだった?坂本龍馬、勝海舟、佐久間象山の登場です(笑)!
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22 February

第7話「祝四代目襲名」

試衛館の門人や多摩の人々が駆けつけ、大国魂神社は大いに賑わいます。村の見物人に囲まれて準備する姿は、まるで運動会の騎馬戦のような熱気を思わせます(笑)。
江戸時代末期の何も娯楽がなかった時代。このようなお披露目は村にとっては一大イベントだったに違いありません。白組の大将になった彦五郎さんの嬉しそうなこと(笑)。しかも総司のお陰で勝っちゃったんですから嬉しさもひとしおです。反対に彦五郎さんに押さえ込まれ大将を討たれた土方さんの悔しそうな表情も見ものでした。 この時、戦法で山南さんと意見が分かれましたが、守りを固めたほうが先決だったようですね(笑)。試合には負けましたが直感型喧嘩師?の勝利でした。
それにしても、山南さんの太刀筋は上品で綺麗でしたね〜。
沖田さんとの因縁の勝負も見事でしたね。沖田さんの顔にも緊張の色が見られます。結果的には沖田さんの勝利でしたが、成長した沖田さんに嬉しい笑みを浮かべる山南さん。良いシーンでした。 個人的には歳三との勝負も見てみたかった気がしますが、この二人には必要ないのかもしれませんね。
そして、宴会でできあがってしまっている周斎さんと彦五郎さん(笑)。何度見ても笑えますね。
また、土方さんと山南さんの二人が常に近藤の脇を固めているというのも嬉しかったです。既に新選組参謀の風格が漂っています。お酒の席でも真面目に語っている山南さんはヒットでした(笑…ちょっと可哀相でしたが)。
そして、山本太郎さんの原田左之助は炸裂していましたね(笑)。本当に、あなた誰?ですよ(笑)!
永倉さんが思い出さなければ、彼はもう一升くらい酒を喰らっていたことでしょう(笑)。

また、ここでの屈折した土方歳三は(歳三ファンとしては)たまらない存在でした(汗)。
近藤が所帯を持ち試衛館の四代目を継いでどんどん出世してゆく。そんな近藤と自分を較べ自暴自棄になる歳三。また、土方は有能な門人たちに慕われる近藤にとって、自分が本当に必要なのかを考えるようになります。しかし、周斎は歳三の“生きた経験”でもって近藤を支えてくれと励まします。目頭が熱くなる歳三。親友として彼を支えろと教えられた為次郎の言葉が重くのし掛かります。この時の山本耕史さんの目が綺麗でしたね〜(ちょっとクラクラしてしまいました…笑)。

最後に、坂本龍馬との再会。これも良かったですね。またまた、ふら〜っと現れた坂本さん(笑)。
土方が坂本龍馬に指摘した「勢いに流されているだけ」という言葉は、坂本自身に強く突き刺さる言葉でした。江口さんの目がそれを物語っていたように思います。素直にへこんでいる(認めている)ところも竜馬らしくて?良かったですね。
恐らく、彼自身も異国に対して取るべき手段が見出せない段階だったのではないでしょうか。土佐勤王党の方針に違和感を感じながらも武市半平太に流され進むべき道を見失っている。後に日本を動かす英雄も悩み、道を踏み外した時期もあったのではないかなと思わせるエピソードでした。
それにしても、大事な血判状を(嬉しいのか?)見せびらかす望月亀弥太(笑)。血気盛んな普通のお兄ちゃん、という感じがして面白かったですね。
坂本龍馬と近藤勇との勝負も見事でした。 腹部すれすれのところを刀がかすめますが、坂本龍馬は近藤の気持ちを酌んだのか、あっさりと血判状を破り捨てます。潔くて男らしいではありませんか。
(この後、龍馬は半平太に散々非難されたことでしょう…笑)

今回は、近藤や坂本の華々しい船出が描かれていましたが、歳三や総司も含め実はそれぞれ人には言えぬ悩みや葛藤や不安を抱えながら生きている…。今後再会する時、彼らは一体何を見い出すのでしょうか。

補足?:山本太郎さん、本当に痛そうだったんですが、大丈夫だったのでしょうか(笑…相当顔が赤かったです)。
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